少子高齢化が進んでいる日本では、社会保障費の増大と経済の停滞で家庭の手取り所得が減り続けています。老後2,000万円問題をはじめとする将来の不安を解消するためには、金融リテラシーを身につけ、早い時期から資産形成をすることが欠かせません。
家計の安定的な資産形成を支援するNISA(少額投資非課税制度)も、2024年1月より制度の恒久化・拡充が決まり、“貯蓄から投資”の流れが加速することでしょう。
そこで、重要なのが金融教育。2022年4月より高校での金融教育が義務化されるなど、日本でも金融教育への関心が高まってきています。
シャトルペイが行った調査でも、投資経験のある親の8割以上が、子どもへの金融教育に興味があると回答しました(※1)。
さらに、イギリス発の子ども向けFinTechサービス(アプリと連動し金融教育にもなる子ども向けキャッシュレス決済サービス)の「GoHenry」が行った調査によると、「金融リテラシーがキャリア初期の収入を最大 28% 引き上げる」、「幼い頃から金融教育を受けた子供たちは、退職後に70,000ポンド(約1,100万円)も裕福」と報告されています(※2)。
子どもたちが将来、社会の中で経済的に自立し、自分らしい生き方を実現するためには、金融教育を通して子どもの頃から自律的に行動し、道を切り開く力を身につけることが大切なのです。
このように、金融教育に対する関心と重要性への理解は高まっているものの、日本ではまだまだ実践に移せていない家庭が多いのが現状です。子どもに金融教育を学んで欲しいと思っても、何を学ばせたらいいのでしょうか。
金融庁は、最低限身に付けるべき金融リテラシーの内容を具体化して、年齢層別にマッピングした「金融リテラシーマップ」(※3)を公開しています。そこでは、家計管理、生活設計、金融と経済の基礎知識と金融商品を選ぶスキルなど、4分野について挙げています。
たとえば、小学生では、おこづかい帳をつける、工夫して買い物をする、貯蓄する習慣を身につけるといったことが習得すべき内容とされています。しかし、子どもだけでは継続ができない、正しい判断ができないなど、親のサポートがない中でお金との上手な付き合い方を身につけるのはなかなか難しいのが現状です。親自身も十分な金融知識を身につけていないと、子どもに正しい情報を教えられるのか、不安に感じることもあるでしょう。